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柳生心眼流體術

当流、柳生心眼流體術は、柔術,剣術,棒術,居合術等を含む総合武道です。            
当流の根本は柔術にあります。これを基本に剣を持てば剣術に、棒を持てば棒術にと自在に応用変化ができることになります。                
従って、当流の修行方法は柔術を中心とし、身体動作、立位進退、腰の据え方、手足の調和などの基本を体得した後、各種武器の修練に入るのを原則としています

柔術

_NowPrinting.jpg 当流の柔は、修養・鍛練に重きが置かれているところに特徴があります。 勿論、当初は極めて実戦的ものでありましたが、先師たちの工夫により危険な技が省かれ、稽古鍛練に適した技に改編されて来ました。特に、八世 星野天知は明治期に明治女学校において女子に当流を教授しており、現在の形は老若男女を問わず容易に稽古を行える様になっています。

棒術

 棒術で用いる棒は、長さ六尺、太さは稽古用に一寸、実戦用には八分のものを使用します。 長さは、基本的には各人の身長に合ったものを用いますが、標準的には六尺のものを用いています。

 当流棒術の特徴は、棒を順手持ちにする技が多くその長さ一杯に使う事で、極めて実用的な棒使いとなっています。 棒術の技は、主として初心者向けに編まれた表棒と、実践的な裏棒から構成されています。 表棒は、退きながら、しかも相手と同じ動作で勝つ勝口を身に着けることを第一としていて、半身など武道の基本的な身体動作を身に着けることができます。 裏棒は、返しと突きの極めて実戦的な技となっていて、これを有効に使いこなすにはかなりの熟練を要しますが、表棒を習得した後、早棒と言う稽古を徹底的に行なって無駄 な力を抜き、呼吸法、リズミカルでスムースな進退動作を習得した後、裏棒の稽古に入り、無理なく技を習得できる様、稽古方法に工夫が施されています。

大太刀術

_NowPrinting.jpg 当流の剣術に用いる木刀は刀身二尺四寸八分、柄の長さ一尺一寸二分で、全長三尺六寸の大型のもので、大太刀と称します。この様な大型の木刀を用いるため、当流の大太刀には小手先の技はありません。ただ、臍下丹田に力を込め気力を充実させて剛壮に使うのみで、呼吸、胆力、気力を鍛練する技となっています。 初心の内は大太刀を使いこなせず、逆に大太刀に身体が振回されて大変危険であるためで、初心の者は、大太刀を用いた鍔迫(ツバゼリ)合と言う押合い稽古をして呼吸、胆力、足腰を鍛練します。その後、ある程度大太刀を使いこなせる様になってから、形を稽古することとなります。

以上が、当流の代表的な技の特徴ですが、当流柳生心眼流體術の技の体系は、次の次の様になっています。 柳生心眼流體術 <柔術> 居取 十手 立合 三十四手 <長刀術>七手 <剣術> 七手 <居合術> 八手 <棒術> 表形 十手 裏形 十手。当流の奥義は心気力の一致であり、呼吸法により臍下丹田に気を治め、身体をどのように動かそうとも心気が臍下に在って動かない、天地陰陽合体した不動の尊体が当流極意となっています。形稽古を通 して肉体・心・精神を練り、こうした奥義に至り、人として真の己をこの世において実現することに当流の主眼が置かれています。